4-100-33)著作権の壁に阻まれて、字幕入力をしたい映画の上映許可が下りない。


Q:041025
前略
私は字幕サークルのボランティアの一人としてお手伝いさせていただいている女性です。
今私どもは総勢6人ほどでおこなっておりますが、今の問題は、著作権のかべにはさまれて、字幕入力をしたい画像がなかなか手に入らないことです。
そちらさまの活躍ぶりをみていると、「どうしてアニメーションに字幕を入れることを許可してくださったのだろう」と悩むばかりです。
私達の熱意が足らないのか、何が足らないのかまったくわからず、どう活動すれば皆さんに喜んでいただける字幕スーパーつきの映画上映会ができるのか悩んでおります。
栗田様は、どのような活動をなさったのでしょうか?
どうしても著作権の壁にはさまれてしまい、できるのは著作権の切れた宗教関係ばかりになっています。
これではお年より向きの上映会にしかなりません。
私は大人も子供も健常者といっしょになって見てもらえるような映像を上映したいと思っております。
非常に勝手なことを書いてすみません。
私達はその営業活動の力不足で今はやる気があるのに肝心の画像がない状態に陥っております。
もし、活動においてこうしたらというアイデアなどがあれば教えていただけないでしょうか?
このままでは、せっかくやる気をもっている6人のメンバーも画像がないために解散せざるをえなくなってしまいます。
お知恵を拝借したいのです。
お返事をいただけると幸いでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。


A:
メイルありがとうございました。
IPtalkのホームページに掲載している字幕付き映画のことをおっしゃっているのだと思いますが、IPtalkはパソコン要約筆記用のフリーソフトで、それを使った活動の様子を全国の要約筆記サークルから送っていただいて掲載しています。
私自身は、映画に字幕をつけた経験はありません。
ただ、映画に字幕をつけた経緯などは聞いていますので少しはお役に立てるかもしれません。

掲載している写真では、映画に字幕を付けるきっかけは、上映会の主催者の依頼や映画を字幕付きで見たい聴覚障害者の依頼がほとんどのようです。
評判が良ければ、次の年からは、字幕が付くのが恒例になるようです。(次も字幕付きで上映できるように、映画館や一般観客からも賛同を得られるように、非常に注意して字幕付けをしたと、実施したサークルさんから体験談を聞いています。)
参加されている字幕サークルが聴覚障害の方たちと一緒に活動されているのでしたら、当事者と一緒に上映会の主催者に交渉されたらいかがでしょう。
行政が主催する上映会などでは、聴覚障害者からの要請があれば無視できないと思います。
また、もし、聴覚障害者と交流がなく、字幕を付ける活動を健聴者のみでおこなっているのでしたら、是非、聴覚障害の方たちと交流してみてください。
字幕は手段であって、目的ではありません。

また、字幕の付け方によっても、困難さが違うかもれません。
IPtalkを使った字幕は、映画の画面の外に投影するのが普通です。この字幕の方法なら、映画の映像に影響を与えることはありません。
今されている字幕活動が、映像の中に字幕を焼きこむ方法ですと著作権の敷居が高くなるかもしれません。

とは言うものの、やはり著作権者と交渉する熱意が一番大事ではないかと思います。

思いつくままに、まとまりなく書いて申し訳ありません。
たぶん、全国の方たちも、交渉して断られたりして悩みながら活動をされているのだと思います。
是非、あきらめずに、がんばってくださいね。


Q2:
おはようございます。昨日は突然にメールを差し上げてスミマセンでした。
現状、上映会は開いており、聴覚障害者の方からのリクエストも多数承っております。
実際に図書館からビデオに字幕をつけてほしいという依頼もあります。
私達の字幕入力方法は、画像に文字をくっつけるという方法でとりおこなっておりますので、いうなれば一部加工してるのと同じことになるように思われているのだと思います。
IPTALKのように、外につければいいのですが、そのソフトを開発した人がなかなかうんと言ってくれなくて・・・
みんなやる気はとてもあるのに肝心の許可がおりず、それでだんだんとみんなの意欲が消沈してしまうことが一番辛いです。
聴覚障害の人が「よかった。楽しかった」と言ってくれる、この言葉を励みに頑張ってきているのに、行政にせよ、映画業界にせよ、なかなかアクションをおこしてもうんといってくれないのが現状です。
とりあえず、私は行政と読売新聞にアクションのメールを送りました。
読んで快い返事がいただけると嬉しいのですが・・・
些細なことでもいいので聴覚障害者の役にたてたらと思っております。
そうですね。断られても諦めずに熱意をまず買っていただいて、それから実績を見ていただこうと思っています。
今はその実績つくりで苦戦しているので・・・
なんとか広報活動がんばりたいと思います。
ありがとうございました。
また何か進展があればご連絡いたします。
本当にありがとうございます。

PS:IPtalkですが、私の近くで使っているボランティア団体などはないのでしょうか?あれば一度上映会を見に行ってみたいのですが・・・


A2:
「パソコン要約筆記」のサークルでしたら、ほとんどのところでIPtalkを使ったことがあると思います。
ただ、全てのサークルが映画に字幕をつけているわけではないと思います。
ホームページの実例写真に掲載してあるサークルさんに連絡を取ってみたらいかがでしょう。

また、映画ではないのですが、パソコンの動画ならSAMI形式で簡単に字幕をつけることができるのですよ。
IPtalkの「スライドエディター」で動画に簡単にSAMI形式の字幕を作ることができます。
もしよかったら試してみてくださいな。

<SAMIとは>
Synchronized Accessible Media Interchange (SAMI)の略です。
Windowsに標準でついているMedia Playerに字幕をつける方法と思えばよいと思います。
以下のホームページに説明と例(字幕の付いた動画)があります。
http://www.microsoft.com/japan/msdn/accessibility/general/atg_samiarticle.asp


Q3:
おへんじありがとうございます。
色々と皆さんの活動を見ているうちにだんだん当たって砕けろ精神がフツフツとわいて来てしまって(苦笑)
今日NHKから連絡があり、福祉ビデオなら貸し出しは可能だとお返事を戴きました。
一応趣旨は説明したつもりですが、果たして了解を得られるかどうか・・・
あと、別の大学のサークルがジブリの「もののけ姫」に字幕を入れて上映したと載っていたので、スタジオジブリにもお願いのメールを送りました。
返事はまだありませんが・・・
色々みて勉強になったのは、やはりみなさんとにかくあちこちにビラを配ったり、メディアへ投げかけたり、八方手を尽くしておられるということでした。
待っていても客は来ません。
開店休業状態では困りますから、私は各メディアへのアプローチを一生懸命しています。
他の方々は市のほうに市のビデオへの字幕付けなどの仕事をもらっているようです。
良いものであっても、実績がなければやはり人は集まってくれませんし、クローズドキャプションがいかに大切かをわかってもらわないと、聴覚障害の方のお役に立つこともできません。
とにかく頑張るのみです。
来た仕事はみんな一生懸命やります。
本音を言うとIPTALKがいいとおもうのですが、ソフトを作った方の建前上いえないのが本音です。
NHKの字幕スーパーは、画像の下の黒い部分に白抜きで文字を入れ、口語は黄色で表示しているそうです。
これも参考になりました。
とりあえず頑張ってみます。
ありがとうございました。
また進展があればご連絡いたします。