6-17)このソフトの生い立ち

このソフトは、1998年の第34回全国身体障害者スポーツ大会「かながわ・ゆめ大会」のパソコン要約筆記ボランティア養成講座のカリキュラム検討用に作ったRS232Cを使う2人入力ソフトtalk2が起源です。(私は、その養成講座の講師をしていました。)ゆめ大会では2人入力は行わない事になり、養成講座で、そのソフトを使う事はありませんでした。

しかし、ゆめ大会の後、その養成講座の講習生を中心として作ったパソコン要約筆記サークル「ラルゴ」の練習会で、talk2を使って2人入力の練習をしていました。1999年になって、LANを利用した2人入力のソフトが主流になって来たため、ラルゴでも練習に取り入れ様と努力したのですが、その当時のソフトは使い方が難しく、パソコンに詳しくないメンバーでも使えるソフトが望まれました。その様な背景から生まれたのが、操作が簡単だったtalk2をLAN用に改良した初期バージョンのIPtalk2aです。

その頃から、ラルゴのメンバーも入力の現場に出て行く様になり、より実践的な機能のニーズが出て来る様になりました。メンバーからの要望で、機能強化を繰り返す内に、サークル外の入力者にも使っていただける様になりました。

99年10月にメイリングリストを開設した事で、いろいろな方のアドバイスを聞かせていただける様になり、さらに改良を続けました。

2000年3月に行われた全難聴のパソコン要約筆記指導者養成講座でIPtalkを説明した事で、全国のPC要約筆記者に使っていただく事になり、MLを通じて、全国の入力者のアドバイスでさらに改良を続けました。

2001年5月17日に、日本ITU協会から「第29回日本ITU協会賞ユニバーサルアクセシビリティ賞」をいただきました。ITU協会は、ユネスコやWHOなどと同じ国連の専門機関です。この受賞は、IPtalkが代表としていただきましたが、沢山のアドバイスをいただいた全国の方、IPtalkを使って入力をしている方全員で受賞したものと思いました。パソコン要約筆記活動が認められたと感じ、とても嬉しく思いました。

2001年ころから、私のプログラミングの方針の甘さから、Windowsの制約で動作の不安定なパソコンが出て来たため、表示用と入力用に機能を分割することを計画し始めました。
2001年8月16日に表示用のIPtalk9s1を、2003年1月11日に入力用のIPtalk9i1を作り、改良を続けています。