2004年6月12日〜13日
静岡県立大学での「障害学会第一回大会」の「リモート要約筆記」の様子

障害学会の第一回大会が、静岡県立大学で行われました。
この大会のパソコン要約筆記は、東京の入力者がテレビ会議システムを見ながら入力した字幕をインターネットで静岡の会場に表示する「リモート要約筆記」で行われました。入力者が会場まで行かなくてもパソコン要約筆記ができる「リモート要約筆記」は、いろいろな可能性を秘めていると思います。
演台の左が発表資料を映すスクリーン、その左がパソコン要約筆記用のプラズマディスプレイです。
 
表示は、横長のプラズマディスプレイで、黒背景の白文字です。表示機は、プラズマディスプレイの左下に見える「Iwill XP4」というベアボーン機(半手作りパソコン)です。
 
東京の入力者は、テレビ会議システムを使って静岡の学会の音声を聞き、映像を見ながら入力します。東京の入力機と静岡の表示機は、VPNルーターを使ってプライベートアドレスで接続されています。入力は9iシリーズ、表示は9sシリーズを使っています。
 
テレビ会議システムは、2セット使っています。音声と講演者の拡大映像の伝送にはSONYのPCS-1、会場全体の荒い映像の伝送にはNECエンジニアリングのMEDIA POINT IPを使いました。
上の写真は、NECのMEDIA POINT IPです。中央のカメラは東京から遠隔操作して静岡の会場の映す場所を変更することもできます。
 
これは、東京の「リモート要約筆記」会場の様子です。入力者の前のスクリーンに2台のテレビ会議システムの映像を投影して、あたかも静岡の会場にいるようにして入力しています。
 
VPNルーターを使うとインターネットを飛ばして、東京と静岡が隣同士にいるようなネットワークを作ることができます。東京のネットワークアドレスは、192.168.2で、静岡は、192.168.1にしています。
 
IPtalkは、ネットワークアドレスが異なると「メンバーを捜す」ボタンが有効ではありません。このため、「パートナー」ページの「IPアドレス」の枠に直接IPアドレスを入力する必要があります。

<050601追記>
最新のIPtalkは、VPNルーターに対応しているので、相手のネットワークアドレスをセットすれば、「メンバーを捜す」ボタンが有効になります。
 
VPNルーターです。上のLANケーブルがインターネット側(WAN側)、下のLANケーブルがローカル側です。
当日、VPNルーターの動作がおかしくて、東京と静岡のIPtalkが接続できなくてあわてました。VPNルーターの使い方は、まだ研究の余地がありそうです。
 
東京の「リモート要約筆記」会場の画像は湯瀬先生に提供していただきました。
他の画像は、栗田が撮影、作成しました。
「リモート要約筆記」は、静岡県立大学国際関係学部の石川先生と経営情報学部の湯瀬先生によって行われました。