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会員募集について (2006年版)

<「ラルゴ」の活動経緯>
@1997年〜2004年
第34回全国身体障害者スポーツ大会「かながわ・ゆめ大会」の「パソコン要約筆記ボランティア」の受け皿として97年11月11日に設立した「ラルゴ」の活動は、当初2つの面を持っていたと考えます。
一つは、地域(神奈川県)のパソコン要約筆記の普及と入力者の養成でした。もう一つは、IPtalkを用いてパソコン要約筆記の新しい方法を研究開発し普及することでした。
前者は、神奈川県中途失聴・難聴者団体連絡協議会の「PCかながわ」ができたことで役目を終えました。このこともあり、03年8月から、定期的な例会・練習会を行っていません。
後者は、初期から、全国の先駆的なサークルと開発を行って来ました。こちらは、その後も、「中・上級者向け練習会」を不定期に開催していました。

A2005年7月〜06年7月
・サークル活動の再開と会員の募集
2005年7月に、ラルゴはインターネット上で活動する研究サークルとして活動を再開し、日本全国から会員を募りました。
北は北海道、南は鹿児島まで、全国から19名(06年6月現在)が研究に参加しました。
・「在宅入力情報保障」の研究
パソコン要約筆記は、情報保障としての市民権を得、入力の方法も一応完成し、全国各地で行われるようになりましたが、入力者の不足が、パソコン要約筆記が次のステップ(本格的な普及の時期)に進むことを防げていると考えました。
「入力者の不足」の解決方法の一つとして、「インターネットを使い在宅で入力する」(在宅入力情報保障)という方法を従来から多くの方が提案していますが、技術的な敷居が高いなどの理由で、一般のサークルが採用できないでいます。
一般のサークルでも実施可能な「在宅入力情報保障」の方法を研究しました。
愛媛大学総合情報メディアセンター村田研究室の協力を得て、「在宅入力情報保障」の実験を複数の方法で行いました。
この結果を2006年6月の第24回全国要約筆記問題研究集会in札幌の第三分科会(情報アクセス権)で発表しました。
・「パソコン要約筆記の方法」の研究
06年の障害者自立支援法の施行を前に、要約筆記は「通訳」としての役割を強く求められ、パソコン要約筆記も「通訳入力」の方法について検討する必要がありました。
手書き要約筆記では、要約方法や養成方法などが体系的に研究・発表されいましたが、パソコン要約筆記の入力方法や養成方法については、まとまった形で発表されたことがありませんでした。
手書き要約筆記の「通訳筆記」の方法をそのままパソコン要約筆記に適用するなどの混乱も見られました。
このため、「通訳入力」検討の第一歩として、現状行われているパソコン要約筆記の方法についてまとめ、2006年6月の第24回全国要約筆記問題研究集会in札幌の第六分科会(パソコン)で発表しました。

<状況認識>
・パソコン要約筆記全体について
パソコン要約筆記の現状は、この8年間で情報保障としての市民権を得、入力の方法も一応完成し、全国各地で行われるようになりました。
ネットワーク、パソコンの利用技術としても、実用的なレベルの域に達していると感じます。
種々の問題はあるものの、技術的・運用的な試行錯誤の時期は終わり、本格的な普及の時期に入りつつあると考えます。
障害者自立支援法の施行が、パソコン要約筆記の養成や方法にどのような影響を与えるかは今後も注視する必要があります。
行政の派遣対象となっていない学校などのパソコン要約筆記について、普及は遅れています。
「在宅入力情報保障」の研究について
無料で利用できるPaketiXを前提に実験を進めましたが有料化されてしまったため、今でも無料で利用できるHamachiが有力な候補になって来ました。
06年の愛媛大講義保障の実験の結果から、CamCast、または、Skypeを使うことで「在宅入力情報保障」の運用実験に移る技術的な目処が立ったと考えます。
運用実験は、長期間定期的に昼間活動する必要があり、入力者を確保する必要があると感じます。
・「パソコン要約筆記の方法」の研究について
論文中でいくつか仮説を立てて議論を進めました。
次のステップは、仮説を実験的に検証する必要があります。
しかし、検証対象が「人の頭の中の現象」であるため、専門家(通訳理論、人間工学、認知心理学など)の協力が必要と感じています。、

<今後の予定>
「在宅入力情報保障」の研究について
愛媛大の講義保障の運用実験を行います。
週日の昼間に活動できる会員を募集し、運用実験実施の体制を整えたいと考えます。
運用実験の結果は、07年9月ごろに結果をまとめ発表したいと思います。
・「パソコン要約筆記の方法」の研究について
このテーマについて、現状では具体的な予定は立っていません。

<会員の募集>
「在宅入力情報保障」の運用実験に参加していただける方を募集します。
07年1月〜07年7月の期間、愛媛大学の講義保障をインターネットを使って自宅で入力する実験を行います。
この運用実験に参加していただける方を募集しています。
募集している役割は以下の通りです。
@入力者
A技術担当
B実験記録・まとめ

詳細は、「会員募集」をごらんください。



06年11月 会長 栗田


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