(「保存」ページの「初期値に戻す」のボタンを押してから実習してください。)
5日目は、2人で入力する方法について勉強します。
パソコン要約筆記では、複数の人がいろいろな役割を分担して協力して1つの字幕を作るのですが、その中の最小チームが2人入力のペアだと思います。
2人入力という方法が考えられたのは、話す速度に1人の入力ではとても間に合わないので、2人で協力して入力してようとしたからです。同じような方法が、手書きの要約筆記で長い間行われていますが、パソコンを使うということから、手書きとは違う方法(ソフトの機能を含め)がいろいろと工夫されています。
2人入力は、実際にやってみるとなかなか難しい入力方法です。
それで、今日は、まず2人入力が「なぜ難しいか?」ということを説明したいと思います。次にそれに対して工夫されて来たペアの役割分担などを説明します。最後に、その方法を支援するIPtalkの機能を説明したいと思います。
1)2人入力の困難さ
2人入力の困難さは、パートナーがどこまで入力する、あるいは、どこから入力してくるかが判らないというのが、根本的な原因になっています。(下図)
上の図で、Aさんは、Bさんがどこから入力してくれるかわからないので、「昨日は」というところも聞きながら入力しています。もし、「昨日は」というところをBさんが入力してくれると分かっていれば、「今日は・・」の部分の入力に集中できたはずです。
また、Bさんも、「昨日は」というところから入力を開始していますが、Aさんがどこまで入力するか分からないので、Aさんの入力に注意を払いつつ入力しています。もし、Aさんが、「今日は・・」の部分で完結するように入力すると分かっていれば「昨日は」からの入力に集中できます。
つまり、2人で分担して入力していても、「どこまで」とか「どこから」というのが互いに分からないと、パートナーの入力に気を使うことで効率が落ちてしまうのです。
2)連携方法の分類と具体的な方法
2人入力をスムーズに行うために、全国各地でいろいろな方法が行われています。たぶん、100組の2人入力のペアがいれば、100通りの方法があると思います。
しかし、この「どこまで?」「どこから?」という点の取り決め、あるいは、パートナー間での伝達という面でみると、以下のように分類できるのではないかと思います。
それぞれの方法についての具体的な方法と、利点と欠点を説明したいと思います。
A1)1文章と決めておく方法
一番基本的な方法は、入力の分担を1文章と決める方法です。つまり、話が「。」で終わるまでは、その人が責任を持って入力する方法です。
これが基本となって、この方法の欠点を補うという観点から、他のいろいろな方法が考案されていると考えても良いと思います。
この方法の利点は、分担が分かりやすい点です。
初めて2人入力をする人や、初めてペアを組む場合は、この方法を取るのが良いと思います。
この方法の欠点は、話言葉では、1文章がだらだらと延々と続く場合があるという点です。1文章が1分以上も続けば、当然、その入力を表示するのも1分以上後になってしまい、結果として表示が遅れるという欠点が出てきます。
A2)時間や文字数を目安にする方法
パソコン要約筆記は、手書きの要約筆記と比較した場合の欠点として、「表示が遅れる」=「リアルタイム性に劣る」と言われています。そこで、文字数や時間を目安にして、入力を分担する方法が行われています。
話が時間や文字数で切れるとは限りませんから、実際は、句読点などで切れるところを目安にして、1文章を分割して入力します。
この方法の利点は、何と言っても、表示の即時性が上がるという点です。
また、「聞き溜め」や「要約」の負担が少ないということも言えます。これは、1文章を分割するので、結果として、要約することが困難になるので、「聞いたままを入力する」という方法を取るからです。(これは、欠点にもつながります。)
この方法の欠点は、どこで分割するかの2人の「阿吽の呼吸」が必要になるので、相性の良い、頻繁にペアを組む人しか行えないという点です。また、話がだらだらと続く場合は、1文章になってしまいます。
この方法の熟練者の入力は、見ているだけで快感を感じます。まるで、「餅つき」の杵を降ろす人と手を出す人との掛け合いの様に、短い時間間隔で分割して文を入力、表示していきます。
IPtalkでは、文字数の目安として、「スライドマーカー」が、秒数の目安として「入力時間の指定」の機能があります。
ヒント | 時間と文字数の目安の考え方の例 (最長15秒で入力を流す) |
1 | <15秒という時間> ラジオは、7秒以上の無音は事故扱いになるそうです。その約2倍の15秒は、字幕情報無しで不安に思わない限界ではないかと思います。 また、努力せずに記憶できる超短期記憶の保持時間も15秒程度だそうです。(超短期記憶とは、聞いて瞬間的に反復復唱ができる記憶で、年齢差や個人差があまりないそうです。)この記憶を使えば、聞き溜めの負担を軽くできます。 |
2 |
<時間→文字数> 15秒の間に、毎分100文字入力できる人は、25文字を入力します。 |
3 |
<25文字という文字数> 1行を14桁とすると、25文字は約2行になります。1画面6行とすると、3回分の入力が同時に表示します。これは、一度に表示されたとしても、読みやすい文字数ではないかと思います。 |
B1)入力中の人が合図する
頻繁に2人入力をするパートナーでも、完全な「阿吽の呼吸」は不可能です。やはり、なんらかの合図を併用するのが普通です。
合図には、パートナーの「入力を止める」「入力開始を頼む」の2つのケースがあります。
例えば、1文章と決めたとしても、短い文の場合は、次の文も連続して入力したいと感じる場合があります。特に、強く要約をする場合は、繰り返しの多い話し言葉では、複数文章を1つの文に要約します。このような時、パートナーの入力を止める必要があります。
また、1文章を分割して入力している場合に、聞き溜めをして、後半も含む要約文を入力し始めた時に、パートナーが後半の部分を入力を開始した時なども、パートナーの入力を止める必要があります。
逆に、沢山の数字などが出てきた時に、とても聞き溜めできない時など、「入力して欲しい」という合図を送ることもあります。
聞き溜めが難しい数字などは、手書きで行われるように、2人入力していない人がメモなどを見せて補助するという方法も行われます。(メモの代わりに、8人モニターや連絡窓を使う場合が多いようです。)
利点は、Aの固定的な方法に対して、融通性があるところです。特に要約して入力する場合は、なんらかの合図は必要になると思います。
欠点は、合図の方法を決めておき、ある程度慣れたペアでないとできないという点です。
また、熟練者が初心者に「消せ!」という合図を送ると、初心者の精神的なダメージを受けるかもしれません。相手の性格も配慮して使う必要があると思います。
B2)次の人が合図する方法
B1の方法は、入力中の人が合図を送るのに対して、この方法は、待機中の人が「入力開始します」という合図を送る方法です。
自発的な合図という点が、ボランティアの精神にもつながると感じ、私はこの方法が好きです。また、実際のところ、多くの方が無意識の内に使っている方法です。
IPtalkの入力部の上にモニター部があるというソフトの機能を積極的に利用することで発展して来た方法です。
下の図で、「しかし」などと文の最初を入力して合図とした後、しばらく「聞き溜め」をして、すぐには入力を開始していない点に注意してください。この「聞き溜め」の時間は、要約のために必要なのと、現在の入力者が合図に合意したのか、それとも次の文まで入力を続行しようとしているのかを見極めるためです。もし、続行した場合は、合図を取り下げて、次の文(下図では「ところが」の部分)から入力するという合図に切り替えます。
つまり、この方法のポイントは、「合図を出し、パートナーの反応を見る」というところです。
この方法の利点は、IPtalkを使っていると自然に身に付き、かつ、連携の効果も高いという点です。
この方法の欠点は、やはりある程度練習したパートナーとでなければ、うまく行かないという点です。
IPtalkを使う場合は、この方法を基本にして、他の方法を併用するすることをお勧めします。
C)主入力とフォロー役
講習会などでは、「女王様と召使方式とも言います。」と説明して、笑いを取ることにしている方法です。(^^)
「女王様」などと持ち上げているのですが、実は、主入力者は、常に全力疾走を強いられる入力方法です。つまり、主入力は、入力できるところは全て自分で入力するという気持ちで入力します。フォロー役は、主入力の取りこぼしを入力するという気持ちで入力します。
入力速度、聞き溜め、要約力とも、フォロー役の方に実力のある人を当てるのが、この方法のポイントです。
したがって、入力量はフォロー役の方が多い場合もあります。
この方法の一番の利点は、心理的な負担が少ないという点です。主入力は、フォロー役がいるので「困ったらよろしくね!」と安心ですし、フォロー役は、最初から「私はフォローだから」と気楽です。
この方法の欠点は、フォロー役に向いている性格のベテランが必要というところです。また、入力量や字幕の質が主入力の人の実力に引っぱられる度合いが大きいという点です。
Cの方式には、理論的には、「実力がある方が主入力となって、パートナーを引っ張る」という、もう一つのケースが考えられるのですが、現実には、なかなか難しいようです。(連携として安定な関係ではないように感じます。)そのような場合、だんだんと実力のある主入力の入力量が増えて、極端な場合、1人で入力しているような状態になってしまうのを見たことがあります。
<参考>熟練者の2人入力のイメージ
下図は、熟練者から聞いた2人入力の「イメージ」です。熟練者は、入力の量を増やすためではなくて、分かり易く、見易い文を入力するために2人入力を使っています。
ヒント | パソコン要約筆記は、多くの文字を表示することができます。毎分200文字を入力できる人が2人入力すれば、毎分300文字以上の入力も可能でしょう。しかし、その字幕を2時間も読み続れば、きっと疲労困憊してしまうと思います。 テンプレート前ロールに「前ロールの速度指定時間流し」の機能があります。毎分300文字の字幕を長時間見続けるということがどういうことなのか体験されると良いと思います。 もしあなたが毎分100文字以上入力できるのなら、表示の質にも気を配ってください。 |
以上は、私が経験した(見た)連携入力を分類したものです。他にも、いろいろな連携方法があると思いますし、分類の切り口もあると思います。最終的には、実際に入力する2人のペアがやりやすい方法が一番良いと思います。
3)IPtalkを使った2人入力の方法
では、上で説明したどれかの方法で2人入力をするとして、実際にIPtalkを、どう使うかを説明します。
<参照>
9iシリーズ | 9sシリーズ | 9gシリーズ |
i2-1-5)表示1ページ | s2-1-5)表示1ページ | 2-1-5)表示1ページ |
i2-1-6)表示2ページ | s2-1-6)表示2ページ | 2-1-6)表示2ページ |
i2-1-7)入力1ページ | s2-1-7)入力1ページ | 2-1-7)入力1ページ |
i2-1-8)入力2ページ | × | 2-1-8)入力2ページ |
基本は、1文を分割して2人で入力する方法です。
1つの文を分割して、つまり、前半をAさん、後半をBさんが入力する場合、表示パソコンには、その2つの文が連結されて1つの文として表示される必要があります。
A)行を連結して表示する
「表示1」ページの「改行方法」の「空行のみ改行」にチェックを入れると、入力した文は、連結されて表示されます。
入力を連結させて表示してみます。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
A1 | 「表示1」ページの「改行方法」の「空行のみ改行」のチェックを入れます。 | 特に何も反応しません。 |
A2 | 「表示・入力」ページの入力部で何か入力します。 | 入力が改行されずに連結して表示されます。 |
A3 | 入力部に何もいれずにEnterを押します。 (空行を流します。) |
表示が改行されます。 |
A4 | 入力部で何か入力します。 | 改行された行の先頭から表示されます。 |
この機能を使うと、2人で交互に入力すれば、入力が連結されて1つの文になります。
B)入力文の表示位置の表示(9i,9h)
この方法で入力した時、難しいのは、改行を入れる事です。
講演会などで、一人の話者が話している場合は、あまり問題になりませんが、会議などで、「栗田/今日は良い天気ですね。」「鈴木/そうですね。」などと入力する場合、栗田の発言を入力している時は連結して入力し、「鈴木/」の前に改行を入れなくてはいけません。つまり、「今は、連結しているのか?それとも改行されているのか?」を意識して入力する必要があります。そうしないと、2人とも「空行」を入れてしまったり、パートナーが「空行」を入れたと思って連結して表示させてしまうなどというミスが出ます。
それで、表示部に「次にどこに入力が入るか?」のマークを表示する機能があります。
「表示1」ページの「入力文の表示位置の表示」の「表示する」のチェックを入れます。
表示位置にマークを出してみます。
9iシリーズ、9hシリーズのみ | ||
No | 操作 | 操作した時の反応 |
B1 | 「表示1」ページの「i入力文の表示位置の表示」の「表示する」のチェックを入れます。 | 特に何も反応しません。 |
B2 | 「表示・入力」ページの入力部で何か入力します。 | 「◆」の表示が出ている事を確認してください。この「◆」は、その後に次の入力が入るというマークです。 |
B3 | 入力部に何もいれずにEnterを押します。 (空行を流します。) |
(空行)すると「■」の表示が行頭に出ます。これは、改行されている事表すマークです。 |
B4 | 入力部で何か入力します。 | 「◆」の表示が出ている事を確認してください。 |
改行している場合のマークを「■」にしているのは、行頭に「◆」が出ていた場合は、たまたま行が折り返されて、行頭に来ているのと区別するためです。
入力しているIPtalkの表示部の桁数が、表示用のIPtalkの桁数と同じならば問題ないのですが、普通は、入力しているIPtalkは、いろいろなウィンドを開くため、表示用とは異なる表示部の大きさにする場合が多いようです。その様な時に、改行されているかがはっきり判るように、この様なマークにしています。
もちろん、表示用のIPtalkには、このマークは表示しません。入力しているIPtalkのみにマークを表示します。
C)入力してから前に改行を入れる
「鈴木/・・」と話者が代わった時の入力を開始する時は、まず、改行してから入力を開始する必要があるのですが、これは、一般的に難しい事です。なぜなら、パートナーが「栗田/今日は良い天気ですね。」と入力を終えて、表示に流すのを待つ必要があるからです。
そこで、「鈴木/そうですね。」と入力してしまい、Enterの代わりにF12キーを押すと、「空行」+「入力文」+「Enter」というように、前に空行が入るEnterになります。
「Fキーメモ」のF12の表示の「空行が入るEnter」とはこのような意味です。
F12キーの機能を確認します。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
C1 | 「表示・入力」ページの入力部で、「栗田/今日は良い天気です」と入力しEnterします。 | 「◆」が文末に出ている事を確認してください。 つまり、通常なら次の文は連結されて表示されるはずです。 |
C2 | 「鈴木/そうですね。」と入力しF12キーを押します。 | 改行されて、表示される事を確認してください。 |
9iシリーズ、9hシリーズのみ | |
ヒント C1 |
「入力1」ページの「Fキーで発言者名を入力する」の一番下に「後にも空行を入れる」のチェックがあります。このチェックを入れると、F12キーが「空行」+「入力部」+「Enter」+「空行」と前後に空行が入るEnterになります。これは、「空行のみ改行」にしている時、「入力1」ページの「F7」キーを使って「訂正:↑の「機能」は「昨日」です。」などという訂正文を出す時に、次の入力が訂正文に連結されて表示されないようにするためです。つまり、「F7キー」を使う訂正係り専用の機能です。 しかし、訂正文を入力した人が、続けて空行を送る事で行が連結されなくなりますから、あまり使われていないようです。(興味のある方は、試してみてください。) |
D)モニターの表示方法
2人入力する時は、他の人とパートナーになります。モニター部にパートナーの入力中の文が表示されます。それを見て、どこまで入力したら良いかを判断したり、どこから入力を開始するかタイミングをはかるのですが、長い文を入力されるとモニター部からはみだしてしまい、何を入力しているか判らなくなります。
その様な長い文を入力する事自体が、あまり良いことではないのですが、モニター部に入力の文末を表示するか、文頭を表示するかを指定する事ができます。
「表示2」ページの「モニターの表示方法」の「モニター部」にチェックを入れます。すると、長い文を入力したときは、モニター部に文末が表示されるようになります。
モニターに文末を表示させてみます。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
D1 | パートナーに長い文を入力部に入れてもらいます。(Enterしません) | 行頭から表示されて、行末がモニター部には、表示されていません。 |
D2 | 「表示2」ページの「モニターの表示方法」の「モニター部」のチェックを入れます。 | 特に反応はありません。 |
D3 | パートナーに長い文を入力してもらいます。 | モニター部からはみ出すと、横にスクロールして常に文末が表示されます。 |
ヒント D1 |
「表示2」ページの「モニターの表示方法」の「8人モニター」のチェックを入れると、8人モニターの表示も、文末を表示するようになります。 |
E)入力途中クリアーメッセージ(9i,9sのみ)
モニター部で、パートナーの入力を見ながら連携入力をするのですが、同じ入力を同時に始めてしまうという事があります。すると、息のあったパートナー同士ほど、これまた同時に入力部を消してしまうという事になります。しかし、この様な時、モニター部から表示が消えたのが、Enterで表示に流したのか、ESCで一気に消したのか瞬間判断できません。
そこで、モニター部をESCやBackSpaseで消して空白になった時に、マークを出すという機能があります。
「入力2」ページの「入力途中クリアー時メッセージ」です。
「入力途中クリア時メッセージ」の機能を確認します。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
E1 | パートナーに何か入力してもらい、Enterを押さずにESCキーで消してもらいます。 | モニター部に「.」が出るます。 |
E2 | 「入力途中クリア時メッセージ」を「.」から「#」に変えて、試してみてください。 | モニター部に、「#」が出ます。 |
ヒント E1 |
これは、「表示入力」ページをスムーズ画面にしている場合に、表示が間に合わず入力した文がなかなか出て来ないというような状況、つまり入力の速い熟練者たちによくある状況です。 このことなどを嫌って、熟練者は、ワープロ画面で入力します。 |
F)8人モニター
入力途中の文を見る事ができるのは、モニター部だけではなく、8人モニターでも見る事ができます。
「8人モニター」は、「補助W」ページの「8人モニター」の「モニター表示」ボタンを押すと現れます。
「8人モニター」は、パートナーだけではなく、同じ入力班全員の入力状況が分かります。
8人モニターを出してみます。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F1 | 「補助W」ページの「8人モニター」の「モニター表示」ボタンを押す | 8人モニターが現れます。 |
F2 | 数人が同じ入力班に入り入力してください。 | 8人モニターに、全員が入力している状況が表示されます。 |
8人モニターの表示は、モニター部と同じように、「モニターの表示方法」で文末を表示するという指定ができます。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F3 | 「表示2」ページの「モニターの表示方法」の「8人モニター」のチェックを入れます。 | 8人モニターの表示も、文末を表示するようになります。 |
「入力途中クリアー時メッセージ」も「●消去●」という固定されたメッセージですが表示されます。また、入力した後にEnterを押すと、表示が空白ではなく「$改行$」となります。
この表示は、「●消去●$改行$を表示しない」のチェックを入れると表示しなくなります。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F4 | 他の人に入力部に文を入れて、ESCキーで消してもらいます。 | 「●消去●」と表示されます。 |
F5 | 他の人に入力部に文を入れて、Enterキーで表示に流してもらいます。 | 「$改行$」と表示されます。 |
F6 | 「●消去●$改行$を表示しない」のチェックを入れます。 他の人にESCキーで消したり、Enterキーで表示を流したりしてもらいます。 |
「●消去●」「$改行$」と表示されなくなります。 |
8人モニターの表示順は、「パートナー」ページの「班のメンバー一覧」と同じです。しかし、表示用のパソコンを一番下にもって来たいとか、パートナー同士を横に並べるとか、位置を移動する事ができます。8人モニターの枠を左クリックし(枠の表示が消えます、入れ替えたい枠でもう一度左クリックします。
また、特定の枠のみ色を変える事もできます。変えたい枠で右クリックして色を指定します。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F7 | 8人モニターの1行目の入力文表示の枠を右クリックします。 | 「色の設定」ウィンドが現れます。 |
F8 | 赤など、色を選んでokボタンを押します。 | ウィンドが閉じ、8人モニターの枠が赤くなります。 |
F9 | 2行目、3行目の色も指定します。 (名前の枠と入力文表示の枠は、別の色が指定できます。) |
2行目、3行目も色が付いています。 (違う色を指定してください) |
F10 | 1行目の枠を左クリックします。 | 1行目が消えます。 |
F11 | 2行目の枠を左クリックします。 | 2行目に1行目が移動します。 (1行目と2行目が入れ替わります。) |
フォントや背景色は、下のボタンで指定する事ができます。
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F12 | 8人モニターの下部の「フォント」のボタンを押します。 | 「フォント」ウィンドが現れます。 |
F13 | フォントの「サイズ」を「14」にします。 okボタンを押します。 |
ウィンドが閉じ、 8人モニターの枠が自動的に大きくります。 |
F14 | 「背景色」のボタンを押します。 | 「色の設定」ウィンドが現れます。 |
F15 | 色を選んで、okボタンを押します。 | 8人モニターの表示枠の背景色が変わります。 F8,F9で個別の枠に指定した色も変わっています。 |
<9i,9sのみ>
「8人モニター」の「自動的に上から入力順に表示」のチェックを入れると、入力を開始した人の表示を自動的に上に詰めて表示します。Enterで流したり、ESCで消したりすると、自動的に下に移動します。
9iシリーズ、9sシリーズのみ | ||
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F16 | 同じ入力班のAさん、Bさん、2人に、入力部に何か入力してもらいます。(Enterで流しません。) | 入力途中の状況が表示されます。 |
F17 | 8人モニターで最上部に表示されているAさんにEnterで表示を流してもらいます。 | Enterで流したAさんは、8人モニターの下に移動し、2番目に表示されていたBさんの表示が最上部に上がります。 |
F18 | Aさんに、入力部で何か入力してもらいます。 (Enterで流しません。) |
Aさんの表示が2番目に上がります。 |
F19 | Bさんに、表示をESCキーで消してもらいます。 | Bさんの表示が下に行き、Aさんが最上部に上がります。 |
<9iのみ>
8人モニターの左端のボタンは、「パートナー」ページの「なってよ!」ボタンと「パートナー」ボタンと同じ機能です。
サークルなど大勢で2人入力している時に、入力するたびにパートナーが変わることがあります。このような時に、メインウィンドのパートナーページを開かなくても良いので便利です。
9iシリーズのみ | ||
No | 操作 | 操作した時の反応 |
F20 | 同じ入力班の人の「な1」ボタンを押します。 | その人とパートナーになります。 |
F21 | 「パ1」ボタンを押します。 | パートナーではなくなります。 |
ヒント F1 |
「●消去●$改行$を表示しない」「自動的に上から入力順に表示」のチェックは、8人モニターを表示用パソコンで表示する時に使うと良いと思います。 パソコン要約筆記の欠点の一つである「即時性」を改善するためです。 |
<参考>
G)お節介連携(9hのみ)
さて、パートナーになっていると、互いの入力部に干渉することができます。。
「入力1」ページの「お節介連携」です。
お節介連携機能を試して見ます。
9hシリーズのみ | ||
No | 操作 | 操作した時の反応 |
G1 | 「入力1」ページの「お節介連携」のチェックを全て入れて下さい。 |
「Fキーメモ」のF2〜F6までがお節介機能になっている事を確認してください。 |
G2 | パートナーに何か入力して表示に流してもらいます。 | 入力文が、表示に流れます。 |
G3 | F2キーを押します。 | すると、Undoされて、パートナーに入力部に文がもどっている事を確認してください。 |
G4 | パートナーに何か途中まで入力してもらいます。「割り込み」と入力してF3キーを押します。 | すると、パートナーの入力部に「割り込み」という文字が転送されます。 |
G5 | パートナーに何か途中まで入力してもらいます。F4キーを押します。 | するとパートナーの入力部がクリアされます。 |
G6 | パートナーに何か途中まで入力してもらいます。F5キーを押します。 | するとパートナーの入力途中の文が表示に流れます。 |
G7 | パートナーに何か途中まで入力してもらいます。F6キーを押します。 | すると、その文が自分の入力部に転送される事を確認してください。 |
この機能を使われると入力部とモニター部の境界が2秒間赤くなり、お節介連携があったことを知らせます。
この表示があっても、慣れない内は、何が起こったか気づくのに時間がかかります。
これは、上で説明したB1の「入力中の人が合図を送る」という方法をさらに強化して、「密な連携」をソフトで実現しようと作りました。
これらの機能の内、入力部に長く溜めてしまう人の入力をパートナーが強制的に流すという機能を試したことがあるのですが、案の定、喧嘩になってしまいました。(^^;
「お節介だ!」と言うわけなんですね。それで、名前を「お節介連携」としたわけです。
人と人との連携は、ソフトなど頼るのではなくて、よく話し合ってパートナーとの「阿吽の呼吸」を目指すのがよいと思い、9iシリーズ、9sシリーズに移行する時に省略しています。
パソコン要約筆記の初期のころに、このような試みも行って、今のような方法に落ち着いているということを参考に説明しました。
ヒント G1 |
この機能は、実際の入力現場で使う事は無いかったのですが、自動車教習所の指導教官が緊急時にブレーキペダルを踏むように、初心者をサポートする意味で使う方法もあるのではないかと思います。 2人入力のペア同士の入力途中のモニターは8人モニターを使い、2人入力のそれぞれに指導教官がパートナーになって付くというのはどうでしょうか? 漢字変換が思うように行かずに手間取っている時に、指導教官がF3キーで正しい文字を流し込むなどという方法もできるのではないかと思います。 |
さて、これで5日目の勉強は終わりです。
もちろん、この他にも2人入力に関係した機能やテクニックや工夫は沢山あります。
みなさんも、いろいろと工夫してみてください。