1−1)各シリーズの概要と変遷
IPtalkには、「9tシリーズ」と教育用の「9jシリーズ」があります。
また、この2つのシリーズの元となった旧バージョンの入力用の「9iシリーズ」と表示用の「9sシリーズ」や、さらに古い「9hシリーズ」と「9gシリーズ」も残してあります。
シリーズ名 | 概要 |
9tシリーズ | 9tシリーズは、入力用の9iシリーズと表示用の9sシリーズなどを一つに統合したシリーズで、入力にも表示にも使えます。 IPtalkは、当初、表示用と入力用の区別はなく、1つのIPtalkを持っていればパソコン要約筆記ができました。 ところが2000年ころになると機能が多くなりすぎ、古いパソコンでは動作が遅くなるという問題が発生しました。 そこで、2001年に主に表示用の機能に特化した9sシリーズを、2003年に主に入力用の機能に特化した9iシリーズを開発し、Windows95などの古いパソコンにも配慮して来ました。 しかし、2007年の現状を見ると、ほとんどのパソコンがXPとなり、性能は飛躍的に向上し、2つのシリーズに分離する意味はあまり無くなっています。 逆に分離することにより、入力用の9iでルビや色文字などを見ることができないという弊害も出て来ました。 また、いろいろなシリーズがあることで、IPtalkの機能の見通しが悪くなっているとも思います。 そこで、IPtalkの本来の考えである「これ1つでパソコン要約筆記ができる」に戻り、9tシリーズを開発しました。 シリーズ名の「t」は、「total」「統合」のtです。 以下の機能を統合しました。 ・IPtalk9i109 ・IPtalk9s111 ・IPtalk9s_tt08 ・IPtalk9_se15 ・IPtalk9_lv4 ・IPtalk9g36の原稿前ロール |
9jシリーズ | ・9Jシリーズは、厚生労働省の要約筆記奉仕員養成カリキュラムに準拠した養成講座のパソコン実技のために作りました。 ・長野サマライズ・センター発行の「パソコン要約筆記講習会マニュアル『IPtalk』9i用」を操作マニュアルとして使います。 ・講習会の実施案(時間割など) |
9iシリーズ | いろいろな入力の機能を持ったIPtalkです。 基本的な表示の機能も持っていますので、特に凝った表示をしないのなら入力と表示の両方に9iシリーズを使うことができます。 (「i」は、「input」の「i」です。) |
9sシリーズ | いろいろな表示の機能を持ったIPtalkです。 基本的な入力の機能も持っていますので、特に凝った入力をしないのなら入力と表示の両方に9sシリーズを使うことができます。 (「s」は、「screen」の「s」です。) |
9hシリーズ 9gシリーズ |
この2つのシリーズは、1999年〜2001年頃、パソコン要約筆記の方法を試行錯誤しながら改良を続けたIPtalkです。今では、使われていない機能も多く含みます。現在は、改良を中止しています。このシリーズを残しているのは、次の理由からです。 1)9i,9sシリーズに無い機能を使いたい時のため 2)非常に古いパソコンで9i,9sが動かない時のため できるだけ9i,9sを使ってください。 |
入力者は「9iシリーズ」で入力し、表示用パソコンには「9sシリーズ」を使っていました。
ヒント1 | 9t,9i,9s,9h,9gの全てのシリーズは混在して使うことができます。 |
ヒント2 | IPtalkを作った経緯などは、「雑多な情報」の「6-17)<このソフトの生い立ち>」にあります。 |
seシリーズ(スライドエディター)とLVシリーズ(ログビュアー)は、情報保障に直接使用するのではなく、補助的なソフトです。
シリーズ名 | 概要 |
seシリーズ | 映画などの字幕用のスライド前ロールを簡単に作ることができます。 <特徴> 1)ルビ付きの字幕を簡単に作ることができます。 2)15分の説明で、ほとんどの人が使えるようになることを目標に作りました。 |
LVシリーズ | 1)暗号化されたIPtalkのログを解読して見ることができます。 2)パスワードを指定してログを暗号化することができます。 作成した背景は、以下を参照してください。 lv3-40-0)ログビュアーとは |
<ソフト名の読み方>
「IPtalk9s34」を例にすると「アイピー・トーク・きゅう・エス・さんじゅうよん」となります。
<ソフト名の意味>
「IPtalk9s34」を例にすると次のような意味があります。
名前 | 意味 |
IP | IPの通信を使っている。つまりLAN用 |
talk | 元々は、お話(筆談)をするソフトだった |
9 | 9人用 |
s | sシリーズ(表示用) |
34 | 9s仕様の34回目の改良版 |
<9hと9gの違い>
9hシリーズは、非常に古いパソコンでも動きます。9gシリーズは、Pentium2以降のCPUのパソコンでのみ動きます。古い機能を使いたい時に、9gシリーズが動く場合は、9gシリーズを使った方が、速度が速いなどの利点があります。
9hと9gに関する ヒント |
IPtalkは、9g29まで、386の命令セットでコンパイルしていました。これは、全てのWindowsパソコンで動くようにと考えたからです。しかし、ほとんどのパソコンがペンティアムとその互換CPUになったため、2002年9月27日のIPtalk9g30からPentium-Proの命令セットに切り替えました。これは、そのようにする事でIPtalkの速度が上がる事を期待したためです。しかし、ボランティアでは、払い下げなどの非常に古いパソコンが使われる場合があり、古いパソコンで動くIPtalkの要望があったので、従来の386の命令セットでコンパイルした9hシリーズを作りました。(hは、「heritage」のhという説明がとても気に入っています。) 動作環境については、「概要」の「動作環境」か、「雑多な情報」の「技術担当の方、指導者の方への追加情報」の「6-16-4)動作するOSやCPU」を参照してください。 |
<余談> |
IPtalkは、バージョンアップするたびに名前が変わっていきます。よく変わるのは末尾の数字(上の例では「34」)です。非常に大きな変更があった時は、シリーズコード(上の例では「s」)が変わります。「s」というシリーズは、表示用に機能をまとめた時につけたものです。) IPtalkという名前は、その前につくった「talk」というソフトのIP版という意味です。「talk」は、2台のパソコンをシリアルケーブル(RS232C)で2人入力するソフトでした。「talk」という名前は、UNIXのチャットのフリーソフトの真似でした。「IPtalk」という名前は、Yahooなどで検索すると分かる様に、マックのIP通信のプロトコルの名前と同じです。(これは偶然です。IPtalkは、マックでは動きません。)そんな訳で、英語圏でIPtalkという名前を使う時は、注意が必要です。また、国内でも、マックを使っているパソコンに詳しい人と話をする時には、同様の注意が必要かもしれません。 |
<余談> 2003年 追記 |
2002年に、「IPtalk」というインターネット電話が登場しました。今では、「IPtalk」とYahooなどで検索すると、インターネット電話のIPtalkの方が多くでるようになってしまいました。日本で「IPtalk」と言うと、インターネット電話ということになるでしょうから、注意が必要です。インターネット電話の「IPtalkさん」も、パソコン要約筆記用ソフトの「IPtalk」を知っているみたいで、特にクレームは来ていませんから、共存することができそうです。 |